推敲しません。

胸の内から溢れ出てしまった、主に本や音楽などへの想いを置いておくだけの場所。なので推敲しません。誤字脱字勘違いあり。

「『百年の孤独 』を代わりに読む」を代わりに読む

長年、本や音楽などの感想や思い付いた事等をアナログにノートに手書きで、メモ以上日記未満程度に書いていたんだが、イマドキは日記を書く人も詩や小説等を書いている人もほとんど、パソコンやらスマホやらだとか。そりゃ便利だよな。誰に見られても良い範囲、になってしまうだろうけど。


短い言葉で感想まとめられて、自分の外に出したい時はTwitterを使っているんだけど、
「ちょっとこの本凄い面白いし初めて目にする手法だし、感想を外に出したいけど、構造が複雑過ぎて私のお花畑ファンタジーな脳ミソでは言語化出来るかな・・・とりあえずTwitterなんかじゃ何連投しても無理かも。・・・長文書ける簡易ブログとかでブツブツ考えながら書いたら楽しいかもな。」
てな具合で、ほぼほぼ、昨年11月の文学フリマ東京で購入した、

百年の孤独』を代わりに読む- 友田とん

の感想を言いたいがためにはてなブログ登録しました。・・・前置き長いな。初ブログだしまぁいいか。

で、こちらのご本はタイトル通り、かの有名なガルシア・マルケスの「百年の孤独」を読んでいない、あるいは今後も読まないであろう人の為に、筆者が代行して読んでくれている。と言う形態の本なんだけど、残念ながら私は自分で読んでしまっているので、本当の意味で、筆者の意図する「読者」にはなれないんだよなー。だからほんと、これからも「百年の孤独」を、「絶対」レベルで読まないよ、と言う友人知人に是非ともゴリ押しして行こうとおもう。

このご本の感想言うのが何故難しいかと言うと、
構造が二重構造、いや三重?になっているんだ。「代わりに読んでくれる」って言うと、本文をかいつまんでわかりやすく粗筋を説明してくれて、
筆者の感情感想なども交え、読んだ気にさせてくれる本、みたいに思われるかもしれないんだけれど。

確かに、本文を引用してラストシーンまで駆け抜けて(読み抜けて?)いるんだが、
・本文をそのまま引用
・本文を読んでいる筆者が全く別の本やドラマや映画のシーンを連想し、重ね合わせているいわば「意図的な脱線」
・この「代わりに読む」と言う行為は何なのか自問自答、試行錯誤しながら苦悩している筆者と協力者のドキュメンタリー

あ・・・三重構造か。これが同時進行しているもんだから、読者は結構遠い距離からこの三つを俯瞰して眺めないと、ちょっと、「あれ?私今何を読んでるんだっけ?」みたいになる。と思うんだよな。百年の孤独を読んだ事が無い人は余計に。

しかし、「この本好きだな〜〜出会えて良かった感想長々と書いて人に薦めたい」ってなったのは、やはり「抜群のユーモアセンス」。これは個人的な好みなんだけど、私にとっては「ユーモアの欠落」って、けっこう致命的で。もちろん、シリアスで底抜けに悲しく美しい物語、なんかも感涙して読んだりするけど、そう言うものはメンタルが弱いので心打ちのめされすぎるので、ユーモアって、ふっと頭と心を緩めてくれる、少しでもあって欲しい視点なんだ。

何度か電車の中でも読んだんだけど、「ふっ・・・」て思わず笑いが漏れてしまう箇所もあって、外で読むのはやめました。はい。

その筆者の絶妙なツッコミセンスにより、「百年の孤独ってこんなにツッコミどころ満載の面白い話しだっけ??」と、激的なガルシア・マルケス節の世界からちょっと離れて肩の力を抜いてもう一度読んだような気になったし、物語全体や登場人物への愛着も湧いてきた。
(すなわち自分で読んだ人もとても楽しめると言う事だね)

そしてなんと言っても読みどころは、筆者の華麗なる「脱線手法」。百年の孤独の各場面から脱線して連想された、筆者が愛すべきものたちは、ドリフのコントから懐かしのトレンディドラマ、私も大好きだった「Back To The Future」のあるシーンにまで多岐に渡る。(筆者、同年代か少し上の世代の方だろうか・・・) えっ??このシーンがそこ行く??
ウルスラ(この物語の一族のオカン)が田中美佐子??・・・驚きと、感嘆と、それから、海外文学の翻訳本苦手な人にも読みやすくなる、と言う効果もあるだろうな。


百年の孤独」本編ばりに感想長くなって来たのでこのへんで無理やり終わらせよう。
ノーベル文学賞作家、海外文学でわりと長編。と聞くだけで、苦手〜、読まない〜、と言う方もいるかもしれない。筆者の友田とんさんは、ご自身の「百年の孤独」への愛をもって、そう言う方々にも、良さ、面白さを伝えて下さっている。知的でユーモアに満ち、文章そのもの私は好きでした。
これほんと、色々な人に薦めたいけど、1番は、
ガルシア・マルケスに読んで欲しい!!

でも、筆者が4年もの長い年月をかけて「代わりに読んだ」偉業をなしえたのは、天国からガルシア・ルケスが応援してたのかもな。なんて、最後ちょっとロマンチックにしてしまった。