推敲しません。

胸の内から溢れ出てしまった、主に本や音楽などへの想いを置いておくだけの場所。なので推敲しません。誤字脱字勘違いあり。

めぐりめぐってアンリ・ルソー。

学芸大学の素敵な本屋さん SUNNY BOY BOOKSで開催中の、「大模写展」拝見して来た。


総勢36名の作家さんそれぞれの魅力が炸裂していた。模写であるからこそ、逆にオリジナリティが溢れ出した、みたいな事なのかなぁ。創り発信する側の方がどんな想いとエネルギーで「模写」と言うものに挑むのかは全くわからないけれど、受け取る側としては、「逆に個性と魅力炸裂じゃん!原作の作者も面食らうわこれ!」みたいに最高に楽しかった。です。

で、36名皆様の作品の感想を全部書きたい所ではあるけれどそんな筆力もないし、全ての模写作品とオリジナル作品を見比べられる記念冊子も作られるそうなので。そちらを楽しみに。

ひとつだけ、長い自分語り。

初めて「絵画」を観に行ったのは、太古の大昔、十代後半頃で大昔過ぎて記憶がアレだけど、「バーンズコレクション展」と言うのが、上野の国立西洋美術館(だったかなぁ、上野だったのは間違いない)で開催されていて、友達がチケットを持っているからと誘ってくれた。なんでもその友達のお父さんが美大出身で絵画が好きで、家に画集などがあったり、友達もまぁまぁ詳しいらしかった。

そんな頼もしい友達の解説付きで、米国のバーンズ財団と言う所が蒐集した名画達を、ワクワクしながら観た。友達は「印象派」が好きなんだと言っていたな。美術に何の知識も無かったけれど、ひとつ、「うわぁぁ・・・好きだなこれ!」って、琴線に触れた絵があったので、その絵のポストカードを買って帰ったんだ。今も手元にある。
アンリ・ルソーの「熱帯の森を散歩する女」。
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一番最初に好きになった画家さんが、アンリ・ルソー、って事になるのかな。その後図書館で画集を見たりして、他の絵もいいなぁ、好きだなぁと思た。他にも「詩人に霊感を与えるミューズ」って言う絵とか、「題名がまず凄い」と思って題名惚れしたり。翻訳だからまぁ、不思議な言葉に感じただけかもだけど。

そして歳月は流れ、子供達も大きくなりだいぶ手を離れて、少しは自分の好きな本とか音楽とか芸術とかに触れる時間が戻って来た。自分よりも随分お若い世代のアーティストのファンになる事も増えて来た。
そのアーティストの中で、「大模写展」で、アンリ・ルソーの絵を模写された方が。

大昔に一番最初にファンなった画家さんと、一番近年ファンになった画家さんが繋がる、と言う、私にしかわからない不思議で感動的でミラクルなこの感じ。控えめに言って、最高です(笑)

きたしまたくやさんの「眠るジプシーの女」は、キラキラ光っていて、夢の中のような神秘的な美しさだなぁと思った。(下地に金色を良く使う、と言うお話しを伺った事が。キラキラの秘密はそれだろうか)ジプシーの女性の目も、宝石のサファイヤのように綺麗で驚いた。原画のジプシーの女性は目を閉じているから・・・・・って、そうだ、書いてて気がついたけれど、「眠るジプシーの女」だけど、きたしまさんの絵は目を開いたまま眠っているのか。。興味深いなー。

全体的には、濃密で力強い世界だなと感じた。一緒に観た友人は「キッチリしっかりした感じの絵だ」と言っていた。確かに、アンリ・ルソーの原画の方が、なんて言うかな、プリミティブ、と言うのとはちょっと違うのだろうけど、キッチリはしてないよな。「素朴派」と言うらしいから、素朴、と言う事かな。

そんなこんなで、ダラダラ感想を書いているとエンドレスなのでこの辺で。不惑の年頃になって、こういう偶然と言うか、ご縁のような喜びを感じる事が時々ある。まるで、子供時代の伏線を回収しているような感覚。